史上最長の野球の試合とは?歴史に残る33イニングの死闘

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試合の始まり

1981年4月18日土曜日、ロードアイランド州ポータケットのMcCoy Stadiumで、プロ野球史上最も長い試合が幕を開けました。Pawtucket Red SoxとRochester Red Wingsのマイナーリーグの試合は、スタジアムの照明設備のトラブルにより30分遅れの午後8時25分に開始されました。観客はわずか1,740人でしたが、この試合が野球史に刻まれることになるとは、誰も予想していませんでした。

延々と続くイニング

試合は拮抗した展開が続き、どちらのチームも決定打を放てないまま延長戦に突入しました。何度も勝利の瀬戸際に立ちながら、そのたびに同点に追いつかれるという展開が繰り返されました。21回裏、後にメジャーリーグで活躍するWade Boggsがタイムリーヒットを放ちRochesterの得点に追いつきましたが、味方の選手たちは喜んでいいのか複雑な心境だったと言います。

気温は厳しい寒さまで下がり、選手たちは折れたバットやスタジアムの木製ベンチを燃やして暖を取りました。クラブハウスの食料はとうに底をつき、スタジアム全体が極限状態に包まれていきました。

風が試合を左右した

この日の強風はインフィールド方向に吹き込んでおり、打球の飛距離を大きく削いでいました。Pawtucketの選手Dave Kozaは後に、もし風がなければ自チームが9回で勝っていただろうと語っています。Sam Bowenが放ったセンターへの大飛球は一度フェンスを越えたものの、風に押し戻されてRochesterの外野手Dallas Williamsに捕球されたと言われています。

Williamsは15打席で0安打13打数という、この試合で記録されたいくつかの不名誉な記録の一つを残しました。

選手たちの奮闘

Pawtucketのリリーフ投手Luis Aponteは7回から10回まで登板した後、試合終了前にチームを離れました。午前3時に帰宅した彼の話を、妻は当然ながら信じませんでした。翌日の新聞で証明すると約束しましたが、試合の中断が遅すぎたため日曜版には間に合わず、月曜日まで待つことになったというエピソードも残っています。

ようやく訪れた決着

試合は32回終了後の午前4時7分に一時中断され、6月23日に再開されました。再開後のたった1イニングでPawtucketが勝利を収め、最終スコアは3対2。合計33イニング、試合時間8時間25分という史上最長記録が確定しました。

この試合には、後にメジャーリーグのスターとなる選手が複数参加していました。Wade Boggsに加え、Cal Ripken Jr.もRochester側で出場しており、マイナーリーグの試合としては考えられないほどの豪華な顔ぶれでした。

試合が残したもの

この伝説的な試合は、マイナーリーグの延長戦に関するルール改正のきっかけとなりました。現在では、深夜を過ぎた延長戦には中断ルールが適用されるようになっています。また、この試合は野球というスポーツが持つ「時間制限のない唯一のメジャースポーツ」という独特の性質を改めて世界に印象づけました。

まとめ

1981年のPawtucket対Rochesterの33イニングは、選手の忍耐力、精神力、そして野球への情熱を象徴する試合として、今なお語り継がれています。極寒の中、8時間以上にわたって戦い続けた選手たちの姿は、スポーツの持つ力を私たちに教えてくれます。